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2008年 09月 25日
20日の講演会を聴講した際、鈴木先生がお話していた
オランウータンの関係性の話を。 オランウータンのお母さんは、子どもが生まれると 子離れするまでの6〜7年間、常に行動を共にし 子どもは、独立するまでの6−7年間の間に母親から 森の中で生きて行くための術を教えて貰います。 いつ、どこで、何が食べられるのか。 どこで、水を飲むか。 葉を重ね合わせてベッドを作り、 雨が降ったら大きな葉っぱを傘の代わりにする。等々。。。 母親はこれらのことを強制するわけではなく、 子どもが母親を見て、まねて覚えて行きます。 その間 母親は妊娠せず、6−7年間の母子親密な関係の中から 伝えられて行きます。 ある日、母子のところに若いオスのオランウータンがやって来て やって来たものの何もせず、ただただじーっと母親を見つめるばかり。 母子が移動すれば、後をついて行き、 母子が果実を食べれば、オスも離れたところで果実を食べる。 母親は、特に“あっちへ行け” と若いオスを追い立てるでもなく 側にいることを許していたそうです。 そのうち、子どもが若いオスに気付き、 興味津々若いオスに近づいて行くのですが、 若いオスは、母親の顔色をじっと伺い 近づいて来る子どもから自らが離れ、距離を取る事で 子どもが諦めて母親の元に帰るのを待ったそうです。 母親からの許しが出ない限り、どんなに子どもにちょっかいを出されても 若いオスが子どもに近づく事はなく。。そして3ヶ月が過ぎた頃。 若いオスが子どもと一緒に遊ぶ姿が観察され その若いオスは、その母親から独立した息子であり 子どものお兄ちゃんだと、個体からわかったらしい。 一度独立しても、母親との関係を保ちながら 再び戻ってくる事が多々あるらしい。 それは母親との情報交換のためなのか、 母親から新たに何かを学ぶためなのか、 詳しい事は、わかっていないのですが 単体行動を好む と言われているオランウータンの 新たな一面なのではないでしょうか。 一緒に行動しているのが観察されるので てっきり血縁関係があるのだと思っていたそうですが、 ミトコンドリアDNAを調べてみたが、全く関係がないなど 血縁以外に“顔見知り”という事でも コミュニケーションを取ることがある と言う事も 観察されているそうです。 聞けば聞く程、わたしたちと似ているなぁ と 興味が沸き、もっともっと彼らの事を知りたくなります。 写真は、ボルネオ オランウータンのオス。 オランウータンには、ボルネオ種とスマトラ種の2種類あり 一般的に、スマトラ種のオスは顔のヒダが大きくならない と言われています。
by mandilaut
| 2008-09-25 13:57
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